その耳にした時に、「音が硬いな」と感じていたかは定かではないものの(きっと思っていなかった)、聞くとはなしに聞いてはいたけれど、そういう「熱心に"聴く"」にまで至っていなかったMETALLICAと私の関係。
それでも、DREAM THEATERが、METALLICAの3枚目のアルバム『MASTER OF PUPPETS』の再現をしていたり、ライブの演奏で「ENTER SANDMAN」(こちらは5枚目『METALLICA』、通称"ブラック・アルバム"の1曲目)のフレーズを「AS I AM」という曲の合間に差し込んだりしていて、自分の好きなバンドが大いに影響を受けているのは知っていました。
音楽における、歴史の教科書をめくるように、ハードロック/ヘビーメタルにおいて避けては通れないバンドのひとつであろうMETALLICAを、それなりの関心を持って、ほとんどリアルタイムで聞いたのは、9枚目『DEATH MAGNETIC』(2008)、10枚目『HARDWIRED...SELF-DESTRUCT』(2016)の、ここ最近の2作品。
ただ、METALLICAに夢中になっている人たちの多くは、1980年代の、スラッシュ・メタルの勢いが相当に盛り上がっている時期(絶頂とかピークとはあえて言わない、それは、まだこれから訪れるべきものであろうから…)に多大な影響を受けているよう感じるので、それはMETALLICAにおける初期3枚〜4枚目あたりの時期に重なる気がします。
個人的には、1981年に生まれているので、物心がまだついていない頃であるし、音楽への興味を持つのも、米米CLUBの「君がいるだけで」がヒットした1992年からなので、リアルタイムでは何もわかってはいませんでした。
それに、今も、理解はしているものの、スラッシュ・メタルにはさほど傾倒していないため、5枚目のセルフタイトル『METALLICA』(1991)における、もっと広範な範囲を含むような、ラウド・ロックとか、ヘヴィ・ロックといった、音楽ファンに広く訴えかけるという触れ込みには興味を持ちました。
その理由としては、時間的には前後しますが、私のHR/HM入門が2005年の春ころで、順次聴いていくうちにたどり着いた、DREAM THEATERの7枚目『TRAIN OF THOUGHT』(上記「AS I AM」はこのアルバムの1曲目に収録)、これに似た感触がこの『METALLICA』においても感じられるだろうと、次第に思っていったような気がします。
重低音の鳴っている、腰を低めに構えたようなサウンドとでもいうような、そういう腹の底にズンズン響くのを味わいたければ、この"ブラック・アルバム"を聴かずにして、何を語ろうかという雰囲気を感じ取っていました。
そのようにして、20歳代半ばあたりからでは、8枚目の『ST.ANGER』が、どうやらMETALLICAの復活を告げるものであるらしいことを、それとなく横目で見ながら、活動の様子を断続的に知っていって現在に至るというわけです。
いろいろあった2020年のここ最近、何か気合いの入るようなものを耳にしたいし、実際に気合いも入るようにしたいと思いを巡らせていたところ、急に「METALLICA、ブラック・アルバム!」ということになり、ひとまずはYouTubeで視聴できるものをチェックしてみようと思い至りました。
この"ブラック・アルバム"に収録されている楽曲を中心に聞こうと思っていたところ、YouTubeのMETALLICAオフィシャルには、近年のライブ映像が多くアップされていて、これらがまた、演奏のダイナミックさがしっかり伝わってくるものでした。
YouTubeでチェックできるものは、充実しすぎるほどに充実していることもあるし、長年活躍してきている相応の貫禄も備わっていて、今になって、ようやく彼らの魅力がわかってきました。
今年になって、ここ2〜3年のライブ画像を多くアップロードしていますし、今年の分ではスタジオでのライブ演奏もあって、このタイミングで観れるものがより多くなっているのは嬉しい限りです。
ここで改めて"ブラック・アルバム"の音源を聴いてみると、ドッシリと低く腰を構えてはいますが、それでも「硬め」の音づくりで、以前聞いていた時も、きっと「そういうものか」と頭でわかっていても、心が踊るまでは至っていなかったことに気がつきます。
やはり1980年代のスラッシュ由来なのか、その当時(1990年代はじめ)の主流の音づくりだったのか、随分と硬質で乾いたサウンドなので、今とはいささか異なっていることを感じます。
今の、ダウン・チューニングとか、ヘビーな音づくりの感覚からすると、それでもいくらか"軽い"というのがあるのかもしれませんが、当時としては異例なものとか、異質なものとして受け止められていたということも考えられます。
自分自身も、1980年代や1990年代におけるMETALLICAの印象が強くなっていたせいなのか、今がどういうサウンドになっているのか、ほとんど注意を払っていなかったということが言えるかもしれません。
実際には、METALLICA自体は、何度もアップデートを重ねている、今まさに現在進行形のバンドのひとつであり続けているわけで、今後も、その頼もしい存在感を大いに増していくことを願うものです。
今後は、名盤揃いの1枚目から3枚目、かつ、ベースの音が(ほとんど)聴こえないことで定評のある4枚目『...And Justice For All』(このアルバムへの印象が、いつの間にか、METALLICAそのものに抱く印象に重なっていたのかもしれません)を含む作品群の楽曲を、今のサウンドや演奏で聴くという趣旨で、YouTubeで順次チェックしていくのが楽しいように思います。
METALLICAはもちろん、他のバンドでも、今の、こういうタイミングで聴き直してみると、自分自身の心境や置かれている状況が異なってきているはずなので、また別のとらえ方ができるように思います。
今のタイミングで、自分の心を熱くたぎらせる音楽は何なのか、それを探るようにしていろいろチェックしてみるのはいかがでしょうか?
<おまけ>
日本には、METALLICAの、アジアで唯一!METALLICA Metclub公認のトリビュートバンド・HATTALLICAがいますので、こちらもぜひチェックしてみてください\m/
HATTALLICA:YouTube オフィシャル・チャンネル
<2020年12月17日:追加>
基本的にはMETALLICAについて述べておきながら、なぜHATTALLICAも取り上げたかの背景について→
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傍島康始(そばじまやすし)/次の"高み"へ@千葉:展示会・イベント関係従事、飲食店勤務などを経て、新しい働き方&仕事の仕方を模索中*#西野亮廣エンタメ研究所*#五星三心占い*#銀の羅針盤*ロック、メタル音楽が好き*親子丼食べたい♪
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